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    その他の国/外国知財情報

  • 【カナダ/特許】特許規則改正 2022年8月更新
  • 1.概要
    2022年10月3日から改正特許規則が施行される。

    2.変更内容
    (1)超過クレーム費用の導入
     クレーム数が20を超える場合、超過分には1クレームにつき100カナダドルの追加費用が課される。この追加費用は、本規則改正の発効後(2022年10月3日以降)に審査請求された出願に対して適用される。なお、審査請求日から最終費用納付日までの間にクレーム数が変動した場合、追加費用は最大のクレーム数に基づいて計算される。

    (2)継続審査請求の導入
     3回目のオフィスアクションへの応答時、及びその後は2回目のオフィスアクションへの応答時ごとに継続審査請求(Request for Continued Examination)とその費用(816カナダドル)の支払いが必要となる。従前はオフィスアクションの発行回数に制限はなかった。

    (3)条件付許可通知の導入
     軽微な欠陥を補正により解消することを条件として出願が許可される場合に、そのことを出願人に通知するための条件付許可通知(Conditional Notice of Allowance:CNOA)が新たに導入される。出願人がこの通知を受け取った場合、指摘された欠陥を解消するための補正書を提出して最終費用を支払えば、出願は許可される。

  • 【インドネシア/特許】特許の実施の猶予期間の延長申請の規定の廃止 2021年8月更新
  • 1.概要
    2016年8月26日付法改正で導入された、特許の実施に対する猶予期間の延長申請の規定が、2021年2月の施行の規則により廃止された。

    2.背景
    インドネシアでの特許は、登録から3年以内の実施、又は、当該期間内でのライセンスの提供が義務付けられている。
    上記期間内での実施又はライセンス提供がない場合、第三者は、強制ライセンスを申し立てることができる。
    従来は、特許の実施に対する猶予期間の延長申請が認めらており、登録から3年以内に延長の申請をすることができた。

    3.改正の内容
    2021年2月3日施行規則により、2021年2月4日以降は、特許の実施に対する猶予期間の延長申請ができなくなった。2021年2月3日までに延長申請された案件については、実施延期の可否が審査される。

  • 【インド/特許】実施供述書の内容変更 2021年8月更新
  • 1.概要
    2020年10月10日付け法改正により、インドでの特許実施供述書の内容が変更された。

    2.変更内容
    (1)報告対象期間と提出期限
    4月~翌年3月までの実施状況を、翌年9月末までに報告する運用となった。

    (2)報告単位
    1特許ずつが原則であるが、関連性が認められる場合には複数件の特許を報告書に記載することが可能となった。

    (3)供述内容
    未実施の理由に加え、実施に向けた取り組みの記載が必要となった。
    従来必要とされていた実施許諾の内容、市場ニーズへの対応状況の記載は、不要となった。

  • 【TW/意匠】意匠審査基準の改訂について 2020年11月更新
  • 1.概要
    台湾特許庁は、意匠審査基準の改訂を公布した。改訂された意匠審査基準は、2020年11月1日から施行される。

    2.改訂の内容
    以下、主な改訂内容を記載する。
    (1)建築物の外装及び内装を保護対象として明文化
    (a)従来は、建築物の外装や内装は意匠法として保護されるとされていたものの、専利法や審査基準において明確に規定されていなかった。
    (b)今回の改訂により、意匠が応用される物品に建築物、橋もしくは室内空間等のデザインが含まれるとの内容が審査基準に追加され、建築物の外装及び内装が意匠法の保護対象であることが明確化された。

    (2)画像・アイコン意匠に関する規定の修正
    (a)従来は、アイコンやGUIについて、スクリーン、モニタ、又はディスプレイパネルもしくはその他表示装置関連の物品に応用されるものでなければならない、と規定されていた。このため、投影やVR等によって表示される画像は保護対象ではなかった。
    (b)今回の改訂により、意匠に係る物品は、「コンピュータプログラム」等、実態形状を有しないソフトウェア又はアプリであってもよい、との内容が追加された。これにより、投影やVR等に応用される画像といった物品から離れたグラフィックイメージそのものについて、物品をコンピュータプログラム等とすることで、意匠権により保護することが可能となる。

    (3)分割出願の規定の緩和
    (a)従来は、全体意匠(例えばカメラ)を出願した場合、全体意匠の出願から特定の部分(例えばカメラのレンズ部分)の部分意匠を分割出願することは認められないことが審査基準に規定されていたが、その逆として、部分意匠の出願から全体意匠を分割出願することは明文規定がなく、実務上認められていた。
    (b)今回の改訂により、上記の基準の不一致を修正し、全体意匠の出願から、特定の部分の部分意匠を分割出願することが認められるようになった。なお、部分意匠の出願から全体意匠を分割出願することは、従来通り認められる。

    (4)明細書及び図面の開示要件の緩和
    (a)従来は、意匠の外観を充分に開示するに足りる図面として、意匠の全体を開示する図面をすべて含まなければならないというのが原則であった。
    (b)今回の改訂により、開示されていない図面は意匠登録を受けようとしない部分とみなす、という内容が原則として規定された。例外として、左右や上下が同一・対称である図面や直接知ることができる内容の図面の場合は、省略することができるが意匠の説明で省略する理由を声明することが必要である、と規定された。つまり、意匠登録を受けようとしない部分の図面については、理由を声明することなく当該図面を省略することができるようになった。

  • 【ミャンマー/商標法】 新商標出願制度に基づく出願の受付開始 2020年9月更新
  • 1.概要
    ミャンマーでは、新商標法の制定にともない、商標登録出願を正式に受付開始する日(新商標法施行日:いわゆるグランドオープンの日)に先立ち、登記された標章又は未登記であっても使用されている標章の所有者を対象として、新商標法に基づく商標登録出願が2020年10月1日(いわゆるソフトオープンの日)から受け付けられることになった。ソフトオープニング期間にされた出願は、グランドオープンの日を出願日として扱われる。

    2.ソフトオープニング期間
    ソフトオープニング期間は2020年10月1日から6か月間といわれているが、具体的な終了時期は示されていない。
    ソフトオープニング期間が終了すると、新規に商標登録を望む者も出願できるグランドオープンとなる。

    3.提出物件
    ソフトオープニング期間の出願にあたっては、以下の書類を提出することができる。

    (a)過去に登記所において登録した標章
    (b)登記証(写し)
    (c)新聞公告又は一般に告示したことの証明(Cautionary Notices)
    (d)連邦市場における実際の使用の書類
    (e)マーケティング又は広告の書類
    (f)納税領収書又は費用に関する領収書(Tax receipt or expense receipt)
    (g)今回の出願人名が過去に登記所で登録された商標権者の名称と異なる場合は、譲渡証書又は出願人の名称変更書類
    (h)その他の書類

    外国語の書面はミャンマー語(ビルマ語)又は英語のいずれかの訳を要する。
    日本から手続をする場合は、公証認証及び領事認証が必要となる。
    ミャンマーのマドプロへの加盟は未定である。

    4.審査
    審査開始はグランドオープン以降となる。
    ミャンマー知的財産庁は、方式、公序良俗、国旗・国章・地理的表示、識別力に関して審査する簡易審査を行うものの、他の商標との類否等を審査する相対的審査は行わない。
    相対的理由による商標登録の阻止は異議申立(公開後60日以内)による。

    5.弊所コメント
    以下は現時点での注意点となる。
    ・登記を受けた権利者は、新商標法下で自動的に保護されることはないため、商標の保護について空白期間を作らないようにするためにもソフトオープニング期間に出願をすることが望ましい。
    ・登記は約21万件あるとされ、権利抵触関係にあっても双方併存する状態であったため、商標法施行後にあっては異議申立による抵触関係の解消が一時的に多く発生する可能性がある。なお、抵触状態にあっては、先に使用している者が勝つとされる。
    ・現状において登記を受けていない商標であってもグランドオープン初日(2021年4月1日と見込まれる)に向けて今から商標登録の手続を進めておくことが望ましい。
    ・領事認証には、1か月かそれ以上を要すると見込んでおくことが適当である。

    [参考・出典]: ジェトロ

  • 【カナダ/特許】改正特許法及び改正規則について 2019年11月更新
  • 1.概要
    カナダ知的財産庁(CIPO)は、2019年7月10日付けで特許法及び特許規則の改正を公示した。改正特許法及び改正特許規則は、2019年10月30日から施行される。

    2.主な改訂の内容
    (1)出願日の認定要件の改訂(参考:PLT第5条)
    以下の(ⅰ)~(ⅳ)の規定が追加された。

    (ⅰ)出願時の明細書および図面はいかなる言語でも認められる(規則71条(d))。ただし、明細書が英文または仏文ではない場合、所定期間内に英文または仏文の翻訳文を提出する必要がある(規則15条(3),(4))。
    (ⅱ)先になされた出願の明細書および図面を引用して、当該特許出願の明細書および図面の代わりとすることができる(規則67条(1))。この場合には別途所定の手続きが必要となる(規則67条(2)(a),(b))。
    (ⅲ)出願時に欠落してしまった明細書の一部または図面を補完することができる(規則72条)。
    (ⅳ)電子出願により、カナダ知的財産庁の閉庁日(土日祝、その他)でも出願日が確保される(規則10条(4))。

    (2)PCT国内移行期限の改定
    (ⅰ)2019年10月30日よりも前にPCT国内移行をする場合
    優先日から30カ月を超えても、追加手数料の支払いのみで、優先日から42カ月までにPCT国内移行手続をすることができる。
    (ⅱ)2019年10月30日以後にPCt国内移行をする場合
    優先日から30カ月から42カ月の間にPCT国内移行手続をするためには、優先日から30カ月以内にPCT国内移行をしなかったことが故意ではなかった旨の声明とともに権利の回復を請求する(規則154条(3))。

    (3)優先権の回復に関する規定の追加(参考:PLT第13条)
    (ⅰ)非PCT出願について、先の出願日から14カ月以内に優先権の回復の申請をすることができる(特許法28.4条(6),規則77条(1)(a))。この際、遅延が故意ではなかったことの声明を提出する必要がある(28.4条(6)(b)(ii))。
    (ⅱ)PCT出願に関しては、PCT受理官庁による優先権の回復が認められた場合(PCT規則26の2.3)、優先権はカナダで有効となる(規則162条(c))。なお、国際段階で優先権が回復されなかった場合でも、PCTの国内移行日から1カ月以内に、優先権の回復を請求することができる(特許法28.4条(6)、規則77条(1)(b))。この際、遅延が故意ではなかったことの声明を提出する必要がある(28.4条(6)(b)(ii))。

    (4)優先権書類に関する規定の追加
    特許庁長官により特定されたデジタルライブラリーで基礎出願の写しを利用可能とし、その旨を特許庁長官に通知すれば足りる(規則74条(1)(b))。

    (5)審査請求期限の変更
    (ⅰ)原出願の審査請求期限
    ・PCT出願日もしくはカナダ出願日が2019年10月30日より前の場合は、PCT出願日もしくはカナダ出願日から5年。
    ・PCT出願日もしくはカナダ出願日が2019年10月30日以降の場合は、PCT出願日もしくはカナダ出願日から4年(規則81条(1)(a))。
    (ⅱ)分割出願の審査請求期限
    ・親出願日が2019年10月30日より前の場合は、改正前の規則が適用されるため、親出願日から5年または分割出願日から3カ月。
    ・親出願日が2019年10月30日以降の場合は、親出願日から4年または分割出願日から3カ月(規則81条(1)(b))。

    (6)指令書への応答期限の変更
    ・2019年10月30日より前に発行された指令書への応答期限は、6カ月(延長不可)。
    ・2019年10月30日以降に発行された指令書への応答期限は、4カ月(2カ月延長可)(規則131条(1))。

    (7)認可通知への応答期限の変更
    ・2019年10月30日より前に発行された認可通知への応答期限は、6カ月(延長不可)。
    ・2019年10月30日以降に発行された認可通知への応答期限は、4カ月(延長不可)(規則86条(1))。

    (8)訂正に関する規定の追加
    (ⅰ)優先権主張日の訂正(参考:PLT第13条)
    出願日に関わらず、正しい優先日または訂正前の優先日のいずれか早い日から16カ月以内に、訂正が可能(規則73条(4))。
    (ⅱ)優先権主張のその他の項目である国名・官庁名・番号の訂正
    登録料納付時以前に、訂正が可能(規則73条(5))。
    (ⅲ)出願人の訂正(身元の誤りがある場合)
    非PCTルートでは出願公開前あるいは譲渡手続き日以前(規則154条(6))、PCTルートでは移行日から3カ月以内あるいは譲渡手続き日以前に(規則104条)、訂正が可能。
    (ⅳ)発明者の訂正(身元の誤りがある場合)
    認可通知が送達されるまで、訂正が可能(規則105条)。
    (ⅴ)出願人の氏名・名称の訂正、発明者の氏名の訂正(実際の身元の誤りは無い場合)
    登録料納付時もしくはそれより前に、訂正が可能(規則106条)。
    (ⅵ)登録後の訂正請求
    特許権者名または発明者名の誤記、明細書および図面の誤記は、登録日から12カ月以内に手数料200カナダドルを支払うことで訂正請求が可能(規則109条(1))。ただし、訂正時期及び内容に一定の制限あり(規則107条(1),規則109条(1)(b))。

    [参考・出典]
    カナダ特許規則
    特許法条約の概要(日本国特許庁)

  • 【台湾/特許】改正専利法について 2019年11月更新
  • 1.概要
    台湾総統府は、2019年5月1日付で専利法の改正条文を公布した。改正専利法は、2019年11月1日から施行される。

    2.主な改訂の内容
    (1)分割出願
    (i)時期的要件の緩和
    改正前の特許査定後の分割は、初審査の特許査定書の送達から30日以内のみ可能であり、再審査での特許査定後の分割出願はできなかった。本改正により、再審査での特許査定後も分割出願ができるようになり、初審査、再審査のいずれも特許査定後の分割の時期は、特許査定書の送達から3か月以内になった。
    また、実用新案についても新たに登録査定書の送達から3ヶ月以内に分割出願ができるようになった。
    (ⅱ)内容的要件の追加(新法第34条第6項および第7項)
    ・特許査定後の分割出願は、元の出願の明細書または図面に開示された発明であって、かつ特許査定となった請求項に係る発明と同一であってはならない。これに反すると拒絶・無効理由となる。
    ・特許査定がされた元の出願の明細書、特許請求の範囲、または図面を変更してはならない。

    (2)無効審判
    (i)無効理由・証拠の提出期限
    ・改正前は、新たな無効理由・証拠は、審決前に提出されたものは原則参酌されていた。改正により新たな無効理由・証拠の提出は審判請求後3か月以内に限定され(新法第73条)、期間後に提出されたものは参酌されない。
    ・特許庁からの通知に対する応答の期限は1か月と明文化された(新法第74条第4項)。
    (ⅱ)訂正請求の制限
     改正前は、訂正請求の時期に制限がなかった。改正により、無効審判における応答期間内に限り訂正請求をすることができる(新法第74条)。

    (3)実用新案の訂正
    実用新案の訂正時期の制限規定が設けられた(新法第118条)。また、訂正の審理が全て実体審理となった。

    (4)意匠権の存続期間
    意匠権の存続期間が出願日から12年から15年に延長された(新法第135条)。

  • 【インド/特許】特許規則改正案2019 2019年9月更新
  • 1.概要
    2019年5月31日付でインド特許規則改正案2019が公表された。本規則改正案の対象は、規則21(優先権書類の提出)、並びに規則131及びForm27(実施報告義務に関する規定及び様式)である。
    ※本規則の改正案の施行日は現時点(2019年9月時点)では未定。

    2.背景
    (1)優先権書類について
    インドにおいて、PCTルートで優先権主張を伴う特許出願を行う場合(インドを移行国とする場合)には、出願人は優先権書類の翻訳文(英訳)を移行期限(優先日から31ヶ月)までに提出しなければならない(規則21(2))。
    (2)実施報告義務について
    インドでは、特許権者または実施権者(ライセンシー)に対して、特許発明のインドにおける商業的な実施状況を報告することが義務付けられている『Form27(インドにおける特許発明の商業規模での実施に関する報告書)』。
    特に、特許発明がインド国内で実施されていない場合には、「実施されていない理由」及び「特許発明の実施に向けての措置」を記載する必要があった。
    また、特許発明がインド国内で実施されている場合には、「インド国内で実施された特許製品の数量および価格」、及び「インドへ輸入された特許製品の数量および価格、ならびに輸入元の国名」のほか、ライセンスや価格が適正であるかの情報を記載する必要があった。

    3.改正の概要
    (1)優先権書類について
    ①優先権書類の翻訳文(英訳)の提出が求められる場合が、PCT規則51の2の1(e)に基づいて提出することが要求される場合であることが明文化された。
    ②優先権書類の翻訳文の提出が、「優先日から31ヶ月」から「所轄庁によってそれを提出するよう要請された日から3月以内」に変更された。
    (2)実施報告義務について
    ①規則131(2)において、「暦年毎に報告書を1度提出すること」、「特許付与された暦年の次の年から報告書の提出が必要となること」、及び「各暦年の最終日から3か月以内に報告書を提出しなければならないこと」が明記された。
    ②Form27について、特許発明が実施されている場合には、特許発明(製品又は方法)のインドにおける実施やライセンスにより得られた価値を報告するように改正された。また、特許発明が実施されていない場合には、「実施していない正当な理由」のみを記載するように改正された。

    [参考] JETRO知的財産ニュース

  • 【ブラジル/商標】マドリッドプロトコルへの加盟 2019年9月更新
  • 1.概要
    2019年10月2日よりブラジルがマドリッドプロトコルに加盟することが決定した。

    2.詳細
    (1)日程
    2019年10月2日以降は、ブラジルを指定国に含めることや事後指定が可能となる。
    (2)通報期限
    拒絶通報の期限は18月を選択している。
    (3)登録までの費用
    2段階納付を選択している。
    (4)その他
    マドプロ加盟に合わせて一出願多区分制に移行する。

    [参考・出典] WIPOホームページ

  • 【カナダ/商標】商標法改正 2019年6月更新
  • 1.概要
    カナダにおいて、2019年6月17日より改正商標法が施行され、商標制度が大幅に変更される。

    2.内容
    (1)出願手続・維持手続の簡素化
    使用商標、使用意思、外国出願等の出願ベースの選択が廃止されるほか、従来、登録後5年目まで及び更新時において提出が求められた使用宣誓書の提出が不要となる。
    (2)存続期間の変更
    上記の施行日以降に登録を受ける商標の存続期間が15年から10年に変更される。
    (3)マドプロ加盟
    カナダは施行日よりマドリッドプロトコルに加盟する。
    (4)商標の定義の拡大
    商標の定義が変更され、非伝統的商標(色彩、ホログラム、動き、音、香り、味、テクスチャ)の保護が可能となった。
    (5)その他
    識別力に関する拒絶理由が追加される。
    出願の分割が可能となる。
    ニース分類に基づいたクラス指定となり、オフィシャルフィーが以下のように変更される。
      出願時:CAD 330 + CAD 100×区分数 (登録時のオフィシャルフィーは不要)
      更新時:CAD 400 + CAD 125×区分数
    (6)コメント
    カナダは、使用宣誓書の提出を要求しない登録主義へと移行するため、従来は排除されていた剽窃的な悪意のある出願が登録を受ける可能性がある。このため、カナダで使用中または使用予定の商標がある場合は商標トロールに先駆けて早期に商標登録を受けることが適当である。
    また、権利期間が短縮されることに伴い、自社管理、代理人管理の双方であっても改めてカナダで保有する全ての商標権を洗い出し、次回の更新時期(15年計算)とさらにその先の更新時期(10年計算)について注意が必要である。

    [参考・出典] カナダ知的財産庁

  • 【メキシコ/商標】 商標法(産業財産法)の改正 2019年1月更新
  • 1.概要
    メキシコでは、2018年8月より改正産業財産法が施行され、商標制度の一部が改正された。

    2.改正の抜粋
    (1)使用宣誓書の義務化
    登録後3年目において3ヵ月以内に、使用宣誓書の提出が義務化した。使用宣誓書を提出しない場合、登録は職権で取消される。
    また、更新時においても使用宣誓書の提出が義務付けられている。
    使用宣誓書の提出にあたっては、所定の手数料とともに公式の書面を提出する。
    メキシコを指定した国際登録出願はメキシコでの登録日(国際登録日でないことに注意)が起算日となるため、マドプロでメキシコに商標登録を受けている場合は期限管理に注意が必要である。
    (2)同意書(コンセント)制度の導入
    同意書又は共存契約書の提出により、引用された先行商標を克服することが可能となった。
    (3)不登録事由に悪意を追加
    「bad faith(悪意)」が拒絶理由・取消理由に含まれるようになった。
    (4)商標の定義の拡大
    商標の定義が変更され、非伝統的商標(音声、香り、ホログラム等)及びトレードドレスの保護が可能となった。
    (5)その他
    クラスヘッディングを指定商品・指定役務とすることが認められなくなり、商品・役務を具体的に記述するように改められた。
    識別力が認められない場合における使用による後発的識別力の獲得(セカンダリーミーニング)が認められるようになった。

  • 【オランダ/意匠】 ベネルクス3国のハーグ協定のジュネーブ改正協定への加盟 2019年1月更新
  • 1.概要
    オランダが、ハーグ協定のジュネーブ改正協定の批准書をWIPOに寄託した。これにより、2018年12月18日に、ベネルクス3国(ベルギー、ルクセンブルグ、オランダ)においてジュネーブ改正協定が発効し、ベネルクス3国を一つの締約国とするハーグ協定に基づく意匠登録出願が可能となる。

    2.内容
    ベルギー及びルクセンブルグにより寄託された批准書/加入書には、以下の宣言が含まれる。
    第4条 (1)(b):BOIP(ベネルクス知的財産庁)を通じた国際出願はできない
    第11条(1)(a):公表の延期の期間は30カ月より短い
    第17条(3)(c):保護の存続期間
    第19条(1):2以上の国の共通の官庁

    [参考・出典] https://www.jpo.go.jp/seido/s_ishou/wipo_benelux1999.html

  • 【カナダ/意匠】ハーグ協定に基づく意匠制度の変更 2019年1月更新
  • 1.概要
    ハーグ協定への加盟に伴い、意匠制度が変更された。変更された意匠制度は、2018年11月5日以降の出願に対して適用される。

    2.主な改訂内容
    (1)グレースピリオド
    グレースピリオドが、優先日から12か月となった。
    (2)分割出願
    分割出願は、最先の出願日から2年となった。
    (3)出願公開
    新たに、公開制度が導入された。出願は、最先の出願日から30か月、又は、意匠登録時に公開される。
    (4)図面の記載
    1つの出願に、写真やその他の視覚的複製が混在するような出願態様が認められるようになった。
    また、複数の状態を示す図が含まれるような出願態様が認められるようになった。開閉や伸縮する物品では、その中間状態と、完全に開閉又は伸縮した状態とを、示すことができる。
    さらに、設計部分と非設計部分とを区別するために、点線、破線、色付け、境界線、ぼかしを使用することができるようになった。
    (5)オフィスアクション
    3か月の応答期限に対し、6か月の延長請求が可能となった。
    (6)登録の延期
    最先の出願日から30か月を期限として、登録の延期が可能となった。
    (7)存続期間
    意匠権の存続期間が、出願日から15年及び登録から10年のいずれか遅いほうまでとなった。

  • 【シンガポール/意匠】意匠法改正(2017年10月30日施行) 2018年6月更新
  • 改正の主な事項は以下のとおりです。

    (1)保護範囲の拡大
    グラフィカルユーザーインターフェースなどの仮想物品を保護対象に含めること、色彩が意匠の構成要素の一つであることが規定された。
    (2)グレースピリオドの拡大
    旧法では、出願人の意に反する公知又は博覧会等における展示である場合に6か月のグレースピリオドが認められていたのに対し、新法では、出願人の行為に起因する場合に12か月のグレースピリオドが認められるようになった。
    (3)多意匠一出願制度の導入
    1出願に50個まで(同一分類に限る)の意匠を含めることができるようになった。

  • 【台湾/特許】特許法改正(2017年5月1日施行) 2017年5月更新
  • 改正の主な事項は以下のとおりです。

    ◆ 新規性喪失の例外の適用要件が緩和
    時期的要件が延長されると共に、出願人による公開に対しても公開の形態を問わず、新規性の例外の適用が認められるようになった。
    詳しくは以下のとおりである。

    施行日以降の出願に適用される。
    <従来>
    時期的要件:公知となった事実から6か月以内
    対象要件 :出願人の本意によらない公開(意に反する公知)と特定の形態(公認の展覧会等)における本意による公開

    <改正法>
    時期的要件:公知となった事実から12か月以内
    対象要件 :出願人の本意によらない公開(意に反する公知)と本意による公開(公開の形態を問わず)

    備考:従来同様、特許等の公開公報による公知では、新規性喪失の例外の適用は受けられない。

  • 【インド/特許】特許法規則改正(2017年1月施行) 2017年5月更新
  • 改正の主な事項は以下のとおりです。

    ◆ アクセプタンス期間の短縮
    拒絶理由解消期間(アクセプタンス期間)が「最初の審査報告書の発行日から6か月」に変更された。併せて、出願人の請求に応じて拒絶理由解消期間を延長できる旨が規定された。
    これまでの審査実務を考慮すれば、この6か月の間に2回の局指令が発行される可能性は少ないため、実質的な補正の期間は1回しかないと考えておいたほうが好ましい。

  • 【ブラジル/特許】日本-ブラジル2国間PPHパイロットプログラムの開始 2017年5月更新
  • 2017年4月17日より、日本-ブラジル間のPPHパイロットプログラムが開始された。JPOにおける特許査定に基づくブラジル特許庁(INPI)へのPPH申請について、申請期間、申請の要件、申請対象の技術分野、申請件数等は、以下のとおりである。

    1.申請可能期間(暫定):2017年4月17日~2019年3月31日

    2.PPH申請の基礎となる日本出願に対する要件
    (1) JPOで実体審査されて特許許可されていること(PCT出願における国際成果物の利用は不可)。
    (2) PCTルートの国内移行出願である場合には、受理官庁がJPO又はINPIであること。
    (3) 出願日は問われない。
    (4) 下記表の「情報技術」の技術分野に分類される出願であること。
    「情報技術」の技術分野
    3.PPH申請の対象となるブラジル出願に対する要件
    (1) 基礎となる日本出願と同じファミリーに属すること。
    (2) 分割出願ではないこと。※ただし、原出願の直接的な分割であって先の審査において単一性違反を指摘されたことによる分割出願は認められる。
    (3) 出願公開されていること
    (4) 審査請求が行われていること
    (5) 年金を支払っていること
    (6) 出願内容についてブラジルで係争の対象となっていないこと

    4.INPIに対するPPH申請の手続き
    (1) 所定期間内にPPH参加を申請及び料金の支払いを行う。
    (2) 参加申請は、要件を満たす200件に限られる。
    (3) 申請は出願人又は代理人のみ可能。
    (4) 申請は、4か月ごとに一出願人あたり6件まで可能。ただし、最後の4か月サイクル(2018年12月1日から2019年3月31日)は、上記6件の上限は無い。なお、上記4か月サイクルは期限日が休日でも延長されない。
    (5)特定フォームの申請書類(日本出願の許可クレームとの対応表など)の提出が必要。

    5.PPH申請後
    (1) 申請が許可されると公示される。
    (2) 公示後、60日で実体審査が開始される。
    (3) 申請が拒絶されても、出願人は申請の不備を治癒して新たに申請を行うことができる。

    ※詳しい手続きにつきましては、JPOが発行しているガイドラインをご参照下さい。